【例文あり】薬剤師の転職理由は?面接に合格する回答例とポイントも解説
薬剤師の転職理由ってどう伝えればいいか悩みますよね
実は面接に受かるかどうかは、転職理由の伝え方が大きく影響します。
採用担当者に『すぐ辞めそう』『グチが多い人』と思われたら終わりです。
この記事ではどんな転職理由でも、採用担当者にポジティブに伝える方法を例文付きで紹介します。
『この転職理由で本当に合格できる?』と不安な人へ、薬剤師転職のプロの無料サポートが受けられる転職サイトも紹介します。
薬剤師の転職理由・退職理由ランキング
まず薬剤師が辞める理由にはどんなものがあるのでしょうか?
企業型調剤薬局に勤務する保険薬剤師に対し、「転職理由」を無記名のアンケート方式で集計したデータの結果を発表します。(全有効データ1,585件)
このような結果となりました。
『仕事の内容』『M&A』『家族環境等』『職場環境』がそれぞれ約2割を占めています。
具体的にはどのような理由なのでしょうか?
仕事の内容
仕事の内容に疑問を持っても、会社の方針だからと改善されないまま限界になる人が多いです。
20代女性
エニフボイスなどを導入しているので、機械化が進められている分、人件費は削減傾向です。なので人数はいるけどその分処方箋枚数がすごく多くて休みがとれない状況です。
20代女性
かかりつけ件数のトレース、プレアボイド、PB商品の販売額などに目標が設定されており、達成できない月は厳しく言われます。
20代女性
事務員なしの一人薬剤師で、保険などの知識も十分ではなく聞ける人もいませんでした。面で処方箋を受けていたので、このままインシデントの恐怖に怯えながら働くのが嫌だった。
30代男性
管理職になって残業代がつかないのに、数字目標を達成するために残業時間が増えた。会議のための資料作成に費やす時間が多く、疲れはてて家に帰っても寝るだけの生活になった。
最近の業界動向として、デジタル化による効率化で人件費を削減している薬局が増えています。
ですが薬剤師の業務は大幅に減らないのに、売上・利益を追求し薬剤師に過酷な仕事内容を強いる会社では、長く務めることはできないですよね。
M&A
チェーン薬局による中小の薬局買収も増えており、M&Aがきっかけで転職する薬剤師もいます。
30代女性
M&Aで薬局事務同士、事務と薬剤師のいざこざが結構あるようで異動が多かった。
30代女性
給料は他薬局よりはやや低め(M&Aで買い取られた薬局に勤めていたので、元からいる方からは不評)。
正社員の異動や、助っ人でパートだけになることもあり、仕事面の負担が大きいので、給与に見合っていないと思います。正社員の方は有給もまともに取れていない状況の中、店舗だけが増え続けるとぼやいていました。
40代女性
M&Aで大手チェーン調剤薬局に買収され、残業時間や仕事量が大幅に増えた。加算についても細かいところまできちんと算定するように言われる。
他の会社に合併されると、給与が下がったり、業務内容が大幅に変わります。
その変化に納得できない人がどんどん辞めていき、残った人もさらに辛い状況に追い込まれ退職するケースも多いです。
家族環境等
家庭の事情で転職する人は、
- 夫の転勤
- 妊娠・出産
- 育児との両立が困難
- 介護
などの理由で退職する人が多いです。
20代女性
夫が地方転勤となったが、異動できる店舗がなかったためやむなく退職した。
20代女性
妊娠してからも産休に入るまで、薬局での立ち仕事で切迫早産になりそうだったので自宅療法となった。子供を2〜3人生みたいので、この環境では今後働き続けられないと思った。
家族環境の変化が退職・転職のきっかけになります。
薬剤師は国家資格があるため、退職しても復職が容易なため、退職を選ぶケースも多いです。
職場環境(人間関係など)
薬剤師の職場は同僚や上司により、働きやすさが大きく違います。
また人間関係も狭く、一度壊れると修復が難しい場合があります。
30代女性
基本的にどの店舗でもギリギリの人数で回しているため、応援なども呼びづらく休みがとりづらかった。そのため、ピリピリした雰囲気が出ることがあり、上司の当たりが強いこともあった。月の労働時間が決まっており、時に勝手に有給を使ってシフトを組まれることがあった。
30代男性
季節にもよりますが、特に冬は処方箋枚数が増加するので残業が月に20時間程度発生します。しかしながら現在会社全体で残業時間の削減を目標としているため現在よりも削減するように強いられています。休みの取りやすさにつきましては、自由にはとりにくい環境です。配属先の薬局は土日、祝日も営業しているため、特に社員は日曜日、祝日も出勤しなければならない状態です。
20代女性
新人薬剤師をいじめて退職に追い込むパワハラ事務を野放しにしていたり、エリアを統括する要職につけたりと人間関係に関しては最悪だ。要職の人からのセクハラもあり、二度と関わり合いたくない会社である。
30代女性
他の薬局よりも基本給が低かったため、ボーナスは低かったこと、他店舗への応援などが多く、関東から東北まで応援に行くこともあり、新幹線移動などで休みを消費することがあり、なかなか休めないこともあった。
その他にも、
- 休日出勤
- 夜間対応
- 通勤時間が長い
などの状況が続けば体力的にもしんどくなり、退職・転職を選ぶのも無理はないですよね。
面接に合格するための転職理由・退職転職の伝え方
さまざまな転職理由がありますが、面接に合格するための転職理由の伝え方のポイントは3つ。
- 嘘をつかないこと
- 転職理由をポジティブに伝えること
- 転職理由を数字を使って客観的に伝えること
①嘘をつかないこと
転職理由がネガティブであっても嘘を付く必要はありません。
小さな嘘をついた時、後味が悪くていい気分になれない経験って誰にでもありますよね?
『面接で嘘をつこう』と思うと、どこか後ろめたい気分になり、ポジティブなアピールがうまくできません。
そういう雰囲気は面接官に必ず伝わります。
嘘をつくのではなく、ポジティブに言い換えるだけでいいので安心してください。
②転職理由をポジティブに伝えること
転職理由をそのまま伝えてしまうと、
- 上司がイヤでした
- ヘルプが多くて大変でした
- 通勤時間が長くて辞めました
この薬剤師さんはうちもすぐ辞めるのでは?
と、良い印象をもたれません。
この解決方法として、ネガティブな理由をポジティブに言い換えるというテクニックを使えばいいのです。
次の章ではポジティブに言い換える方法を例文付きで紹介します。
③転職理由を数字を使って客観的に伝えること
転職理由の上手な伝え方には決まった流れがあります。
前の職場は客観的にみて辞めざるを得ない理由があったが、貴社は自分が望む環境が整っている
という流れにすると、自分の考えを相手に正しく伝えることができます。
ここで『辞めざるを得ない理由』は数字を使って客観的に伝えましょう。
残業時間が多かったからです
とただ伝えても、
うちも残業はあるけど、大丈夫??
と採用担当者は不安になります。しかし、
前の職場は、月の残業時間が60時間以上で、体力的に厳しい状況でした
と客観的に数字を使って説明すれば、
それは大変だったね!うちは平均残業時間は10時間未満だよ
と、『この人はわがままではなく、辞めざるを得ない理由があったんだ』と理解できます。
その理由が採用側の会社で解決できそうと思ってもらえば、グッと採用確率があがります。
この3つのポイントを意識するだけで、面接官に好印象を持ってもらうことができるのです。
薬剤師の転職理由・退職理由の例文
では薬剤師の転職理由・退職理由をポジティブにアピールするための例文を紹介します。
例文①:年収が低い
例文②:労働環境(ヘルプ制度、通勤時間)
例文③:残業時間が長い
例文④:やりがい、キャリアアップ
例文⑤:人間関係
例文⑥:家族のこと
例文⑦:ノルマがきつい
順番に見ていきましょう。
例文①:年収が低い
年収が低いという転職理由ですと『年収が上がればどこでもいいの?』と思われます。
自分も会社に貢献し、それに見合った評価や昇給制度のある会社で働きたいということを伝えましょう。
前職では、目標のかかりつけ件数達成など、実績を出しても評価や昇給への反映がされません。
また評価基準もあいまいで、フィードバックもありませんでした。
今後もしっかり実績を出してモチベーションを高く持って仕事をしていきたいので、御社のように明確な評価制度のある環境で頑張っていきたいと思います。
また年収を上げたい人は、薬剤師が年収を上げる方法も参考にしてください。
例文②:労働環境
労働環境の不満も『どのような点が客観的にみて辞めざるを得なかったのか』という点を、数字を使って伝えましょう。
前職は全国展開のチェーンだったため、応援制度があり、他県に1ヶ月泊まり込みでヘルプに行くことがありました。
子供が生まれたこともあり、宿泊を伴う応援制度のある会社では育児や家事を分担することが難しく転職を決意しました。
御社は地域密着型の店舗展開のため、通勤できる範囲でヘルプに行くことができます。また、在宅にも力を入れている点も地域医療に貢献したい私の希望と一致しております。
心身ともに充実した環境でしっかり実績を出し、貢献していきたいと思い御社を志望いたしました。
通勤時間が長い場合も同様の理由で『地域密着型』の店舗展開を理由にすると良いでしょう。
例文③残業時間が長い
残業時間が長い場合の転職理由の例文です。
ポイントは『残業時間を減らす工夫をしてみたが、改善しなかった』ということを愚痴にならないように伝えることです。
前職では月の平均残業時間が60時間以上ありました。
業務の効率化の改善を行い、パートの方を増やすなどの提案もしましたが受けれられませんでした。
御社では積極的にDX化を行い、効率的な業務改善を推進した結果、社員の平均残業時間が10時間未満と伺いました。
スキルアップのための勉強時間も確保でき、認定薬剤師取得サポート制度の整った御社で、より専門的な人材として貢献して行きたいと思い入社を希望いたしました。
例文④やりがい、キャリアアップ
一人薬剤師や、単科の門前薬局にずっと勤めていて薬剤師として成長できないという焦りから退職する場合の例文です。
前職は内科と整形外科の門前薬局に勤務しており、近隣の店舗も同じように比較的小規模な医療機関の門前薬局です。
私は大学時代からがん薬物療法に興味があり、将来的に外来がん治療認定薬剤師を取得したいと考えていましたが、前職の環境では難しいため転職を決意しました。
御社では大学病院や総合病院の門前が多数を占め、多様な処方箋の勉強ができる環境に魅力を感じました。
また、認定薬剤師の取得を会社としてサポートし、社員で勉強会などを行い資格取得へ向けて切磋琢磨しているとお聞きしました。
私もぜひ御社で認定薬剤師を取得し、その領域のプロフェッショナルとして患者さんの治療に貢献していきたいと思います。
薬局から病院へ転職したい転職理由としても、このようなキャリアアップの転職理由は歓迎されます。
- 多職種とチーム医療を行いたい
- がん薬物療法認定薬剤師を取得して、専門性を高めたい
このように『病院でしかできない業務に魅力を感じた』ことを伝えましょう。
例文⑤人間関係
人間関係の転職理由は同僚や上司に対する不満が多くなり、相手が悪いという『他責思考』に思われてしまいます。
パワハラやセクハラなどは転職理由として当然なのですが、そのまま伝えるとネガティブなイメージになります。
悪口にならないよう、『チームでコミュニケーションを大事にしたい』といった、ポジティブな転職理由を伝えましょう。
前職では個人の目標を達成することに同僚も上司も手一杯で、チームで協力してコミュニケーションを取りながら業務を進めることができませんでした。
薬剤師の在籍数の多い御社では、頻繁に勉強会やチームで知識や経験を共有する機会を持っているとお聞きしました。
私もそのような環境で仲間と切磋琢磨しながら専門性を高めていきたいと思い、入社を希望しました。
例文⑥家族のこと(ママ薬剤師の志望動機)
家族の事情はそのまま伝えても問題ありません。
さらに『退職理由となった事情は今はこうなので、御社で働くことができる』ことを面接官に伝えましょう。
前職では妊娠中の体調不良で退職いたしました。
現在は2人の子供がいますが、下の子供が3歳になり、4月から保育園へ入園することができました。
子ども達も体調を崩すことがほとんどなくなり、体調不良の時も夫と協力して病児保育なども使いながら対応できるよう段取りを整えました。
今後は地域密着型の店舗展開をしておられる御社で、長く働いて貢献できればと思い、入社を希望しました。
大人だって体調不良で突然休んだりすることがあります。
必要以上にへりくだらず、『子供のことで休むこともあるかと思いますが、よろしくお願いします』と事情を伝えておけば良いでしょう。
女性の多い薬剤師業界では問題なく受け入れてくれる会社が多いです。
例文⑦ノルマがきつい
ノルマがきつい、数字目標を達成しないと上司にきつく言われるなどが理由で退職した場合の例文です。
営利企業なのでどこでも数字目標は少なからずあります。
そのことは理解していることはアピールし、『御社にしかない魅力』を伝えれば転職理由に納得感を出すことができます。
前職では数字目標が細かく設定され、患者さん一人一人に時間をかけるより加算をとるための業務が求められました。
そのため薬剤師と言うよりは営業をしているように、社員が数字目標達成のために業務を行っている状況でした。
御社では地域の住民の方への勉強会や、患者さんのご家族との交流会を行い、患者さんの治療や生活をサポート行っておられる姿勢に大変共感いたしました。
数字目標達成は営利企業として必要ですが、それだけではなく患者さん一人一人と信頼関係を築きたいと思いから、御社を志望しました。
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